特徴
ネルドリップは布製のフィルターを使う伝統的な抽出方法です。ペーパーよりも目が粗いため、コーヒーオイルが抽出され、まろやかで奥行きのある味わいに仕上がります。喫茶店文化とともに発展してきた、日本ならではの抽出スタイルともいえます。喫茶店の職人が長年の経験で受け継いできた技術でもあり、同じ豆でも淹れ手によって仕上がりが変わる奥深さがあります。
必要な道具
ネルフィルター(コットンまたはフランネル製)、ネル専用スタンド、ドリップケトル、コーヒーサーバー、スケールを用意します。ネルは使用前に一度煮沸し、余分な繊維くずや匂いを落としてから使用します。
分量比率
コーヒー粉20gに対して湯200ml(豆:湯=1:10)が基本の比率です。ペーパーよりやや濃いめに設計します。濃厚な味わいを楽しみたい場合はさらに豆量を増やすのもよいでしょう。比率だけでなく、粉の粒度や注湯スピードによっても濃さが変わるため、何度か試して自分好みの加減を見つけるとよいでしょう。
湯温
85℃前後が目安です。布が保温性を持つため、ペーパードリップよりやや低めの湯温が適しています。高すぎる湯温では雑味が出やすくなる点に注意が必要です。
抽出手順
- 蒸らし(40秒): 中心から湯を注ぎ、粉全体を湿らせます。
- 1投目(40秒): 中心から外側へ円を描きながら、ゆっくりと注湯します。
- 2投目(40秒): 同様のペースで残りの湯を注ぎきります。
- 抽出完了まで待つ(1分): 湯が落ちきるまで待ちます。
味の傾向
コーヒーオイルを含んだまろやかな口当たりと、とろりとした重厚なコクが特徴です。ペーパードリップより雑味を感じにくい人も多い抽出方法です。冷めてもとろみのある質感を楽しめます。
コツ
ネルは使用後の保管方法が味を左右します。洗浄後は乾燥させず、水を張った容器に入れて冷蔵保存すると風味の劣化を防げます。数回使用したネルの方が繊維が馴染み、抽出が安定するともいわれています。淹れ終わったネルはすぐに水洗いし、洗剤を使わずぬるま湯だけで丁寧にすすぐことも風味を保つポイントです。











