アフリカ産コーヒーの特徴は?
アフリカコーヒーの生産量についても知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒーの有名な産地としてアフリカを思い浮かべる方は多くいると思います。
しかし、どの国でどんなコーヒーを栽培しているのかということまで知っている方は少ないのではないでしょうか?
今回はアフリカ大陸で生産されるコーヒーの味や銘柄、生産量などを紹介!
- アフリカ産のコーヒーは、フルーティーで酸味の強い銘柄が多い
- 生産量は少なく小規模農園が多いため、ダイレクトトレードで注目されている
- アジアではカネフォラ種の栽培が盛んだが、マンデリンなどのアラビカ種も育てている
- 中米・南米(ラテンアメリカ)コーヒーの生産量が世界一で、バランスの取れた味わいが特徴
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
アフリカ系のコーヒー豆の特徴
アフリカの有名な生産地はイエメン、エチオピア、ケニア、タンザニアなどがあります。
それぞれの特徴を味と精選方法から解説していきます。
味
アフリカ産のコーヒーはフルーティーな香りと酸味が特徴です。
甘い香りが特徴のモカが生産されているのもアフリカ(イエメン・エチオピア)です。
また、酸味が強いことでおなじみのケニアとキリマンジャロもアフリカ産です。
精製方法
アフリカでは、2種類の精製方法が採用されています。
まず、甘い香りが特徴のモカの生産地イエメンとエチオピアでは、収穫後コーヒーチェリーをそのまま乾燥させるナチュラルという精製方法を採用しています。
果実ごと乾燥されることでいい意味で濁った味わいになります。
キリマンジャロの生産地タンザニアやケニアではウォッシュドという精製方法がとられています。
ウォッシュドはコーヒーの果肉を完全に取り除いてから乾燥させるため、クリアな味わいになります
酸味の強いコーヒーが好きな人はアフリカ産コーヒーがおすすめ!
ナチュラル・ウォッシュド製法の違いについては、以下の記事を参考にしてください。
アフリカ産コーヒーの有名な生産地と銘柄
アフリカでは、キリマンジャロやモカといった人気銘柄が生産されています。
ここでは、アフリカ産の有名な生産地と銘柄について紹介します。
まとめると以下になります。
- タンザニア(キリマンジャロ)
- エチオピア(モカハラー)
- イエメン(モカマタリ)
- ルワンダ
- ケニア
タンザニア(キリマンジャロ)
強い酸味と甘い香りが特徴のキリマンジャロは、タンザニアで生産されている銘柄です。
タンザニアは、東アフリカに位置しており、アフリカ最高峰の山であるキリマンジャロが有名です。
タンザニアでとれたコーヒーがすべてキリマンジャロとして売れるわけではなく、ブコバ地区以外でとれたアラビカ豆をキリマンジャロとしています。
精製方法はウォッシュドで、すっきりとした味わいが特徴です。
酸味が強く甘い香りのコーヒーが好きな方におすすめです。
スペック
国名 | タンザニア |
銘柄 | キリマンジャロ |
精製方法 | ウォッシュド |
味 | 酸味が強くすっきりとした味わい |
エチオピア(モカハラー)
モカハラーはエチオピアで生産されます。
モカハラーの生産地エチオピアは、タンザニアよりもやや北に位置する国です。
モカハラーはナチュラルで精製されており、フルーティーな甘い香りが特徴の銘柄です。
エチオピアでは地域によって違った名前のモカがあり、モカハラーの他にモカシダモという銘柄もあります。
フルーティーな味わいが好きな方にはおすすめです。
スペック
国名 | エチオピア |
銘柄 | モカハラー、モカシダモ |
精製方法 | ナチュラル |
味 | 甘い香りとフルーティーな味わい |
イエメン(モカマタリ)
モカマタリはイエメンで生産されています。
イエメンはサウジアラビアの南に位置する国なので、性格には中東に分類されます。
エチオピアのコーヒーとの大きな違いは精製方法で、ウォッシュドで精選されています。
そのため、濁りのあるフルーティーな味わいではなく、すっきりとした味わいになります。
特に日本人に好まれる銘柄で、フルーティーかつすっきりした味わいが好きな方におすすめです。
スペック
国名 | イエメン |
銘柄 | モカマタリ |
精製方法 | ウォッシュド |
味 | 甘い香りとすっきりとした味わい |
ルワンダ
ルワンダは生産量こそ少いですが、高品質なコーヒーで有名です。
レモンのような柑橘系の香りとマイルドな味わいが特徴です。
ルワンダには大規模農園が少なく、小さい農園とダイレクトトレードしているロースターも多いです。
ダイレクトトレードとは、焙煎業者が直接生産者から豆を買い付けること。
シングルオリジンのコーヒーが飲みたい方は、ルワンダの農園からダイレクトトレードしているお店を探してみてください。
シングルオリジンとは、生産国ごとよりもさらに細かい、地域や農園ごとに管理されたコーヒーのこと
スペック
国名 | ルワンダ |
銘柄 | ルワンダ |
精製方法 | ウォッシュド |
味 | 柑橘系のような香りとマイルドな味わい |
ケニア
ケニアは強い酸味とフルーティーな香り、柔らかい苦みが特徴のコーヒーです。
ケニアはエチオピアの南に位置する国で、コーヒー豆の品質の高さで各国から注目されています。
同じウォッシュドで精製されているキリマンジャロと比べても、ケニアのほうが香りが上品です。
酸味が強く香り豊かなコーヒーが飲みたい方は、ケニアのコーヒーがおすすめです。
スペック
国名 | ケニア |
銘柄 | ケニア |
精製方法 | ウォッシュド |
味 | 強い酸味と豊かな香り |
精製方法や品種の違いによって、同じアフリカでも味が大きく変わってきます。
アフリカのコーヒー生産量
国際連合食糧農業機関(FAO)によると、2019年のコーヒー生産量は、エチオピアが世界4位で全体の約5%を占めています。
しかし、他の国は全体の1%にも満たないような国ばかりです。
アフリカは小規模農園が多く、その中には農園ごとにブランドを持っている場合も多いので、ダイレクトトレードが盛んです。
ダイレクトトレードのコーヒーは、普通の銘柄とは少し違った味わいが楽しめるので、近年注目を浴びています。
生産量は少なくても、品質の高いコーヒー豆が生産されているといった特徴があります。
また以下は上位6カ国の生産量データです。
順位 | 国名 | 地域 | 生産量(t) | 世界計 構成比 | 累計 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ブラジル | 中南米 | 3,009,402 | 30.0% | 30.0% |
2 | ベトナム | アジア | 16,83,971 | 16.8% | 46.8% |
3 | コロンビア | 中南米 | 885,120 | 8.8% | 55.6% |
4 | インドネシア | アジア | 760,963 | 7.6% | 63.2% |
5 | エチオピア | アフリカ | 482,561 | 4.8% | 68.0% |
6 | ホンジュラス | 中南米 | 476,345 | 4.7% | 72.7% |
より詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
アフリカ産コーヒーの問題
トランシード・グループのレポートによると、アフリカには立場の弱い小規模農園が多いため、仲介人に安く買いたたかれてしまうという問題があります。
これを阻止する2つの方法として、フェアトレードとダイレクトトレードがあります。
フェアトレードとは、立場の弱い農園でも適切な価格かつ継続的に取引できるシステムです。
フェアトレードは学校でも習いましたね!
2つとも、農園のほうに適切な金額が入るというメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
フェアトレードは、継続的に取引が行われる代わりに、必ずしも高品質なコーヒー豆が取引できるとは限りません。
逆に、ダイレクトトレードはロースターが直接取引をするので、コーヒーの質は保証されますが、継続的に取引される保証はないので、不作の場合農園の収入がなくなってしまいます。
アフリカ大陸以外のコーヒー豆の特徴
アフリカは、フルーティーで酸味の強いコーヒーが多いことが分かりましたが、他の地域のコーヒーにはどんな特徴があるのでしょうか。
ここでは、アジアと南米・中米(ラテンアメリカ)のコーヒーについて解説します。
アジア
アジアでは、インドネシアやベトナムといった東南アジア諸国でコーヒーが生産されています。
ストレートコーヒーでよく飲まれているアラビカ種ではなく、加工品やインスタントコーヒーに使われるカネフォラ種(ロブスタ種等)の生産量が多いことで有名です。
カネフォラ種には少し土臭いような香りがありますが、アラビカ種と上手くブレンドすることによって、香ばしい香りをプラスすることができます。
もちろんアラビカ種も有名で、インドネシアのスマトラ島で栽培されているマンデリンは、強い苦みが特徴の人気銘柄です。
アフリカのようなフルーティーで強い酸味のあるコーヒーとは違い、強い苦みと深いコクのある味が特徴です。
南米・中米(ラテンアメリカ)
南米、中米はコーヒーの生産量が非常に多く、特にブラジルはコーヒーの生産量が世界一です。
有名銘柄も多く、コロンビアやグアテマラ、ジャマイカで生産されているブルーマウンテンなどがあります。
コロンビアやブルーマウンテン、ブラジルといった銘柄は苦みと酸味のバランスが非常によく、万人に親しまれる味だといえます。
コーヒーの癖がないので、どの地域のコーヒーを買うか迷った場合はラテンアメリカのコーヒーを買うのをおすすめします。
より詳しい南米のコーヒーの特徴は以下の記事をチェック!
フルーティーな香りと酸味が特徴のアフリカ産コーヒーを飲んでみよう!
いかがでしたでしょうか?
アフリカ大陸で生産されているコーヒーについて解説しました。
まとめると以下の通りです。
- アフリカ産のコーヒーは、フルーティーで酸味の強い銘柄が多い
- 生産量は少なく小規模農園が多いため、ダイレクトトレードで注目されている
- アジアではカネフォラ種の栽培が盛んだが、マンデリンなどのアラビカ種も育てている
- 中米・南米(ラテンアメリカ)コーヒーの生産量が世界一で、バランスの取れた味わいが特徴
アフリカのコーヒー生産量はあまり高いとは言えませんが、その代わりに品質が高いのが特徴です。
中には、普通のコーヒーとは香りや味が大きく異なるものもあります。
もし、普通のコーヒーに飽きてしまったという方は、アフリカ産のコーヒーを試してみてください!