コーヒーの生産国ってたくさんあるけど、どの国のコーヒーが美味しいの?
それぞれの特徴を知りたい!
このような疑問にお答えしていきます。
コーヒーは産地、国ごとに味わいが大きく異なりますよね。
そこで今回はコーヒーが美味しい国をランキング形式で11選紹介!
コーヒーの国といえばココといった内容になっています。
- コーヒーの美味しい国ランキングの選考基準は「個性が強い」「高品質」「人気」の3つ
- コーヒーの美味しい国ランキング第1位は「ブラジル」
- 第2位は「エチオピア」
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒーが美味しい国ランキングの選考基準
美味しさは人それぞれ感じ方が異なりますが、今回は以下の3つの要素を基準に選考しました。
- 個性が強い
- 高品質
- 人気
では、詳しく解説していきます。
個性が強いかどうか
コーヒーの味わいを決める5つのポイントがあります。
- 香り
- 酸味
- コク
- 甘み
- 苦味
以上の5つです。
この「香り」「酸味」「コク」「甘い」「苦味」の5つのポイントがコーヒーの風味を表し、コーヒーの個性となります。
今回は特に上3つのポイントを重点的に見ていきます。
香り
コーヒーの香りは「アロマ」とも言われ、そのキーワードとして「スパイシー」「フルーティー」「スモーキー」「ナッツ」などと表現されることがあります。
酸味
焙煎によって酸味の強さが変わります。
浅煎りのコーヒー豆は酸味が強く感じられ、深煎りのコーヒー豆は酸味は抑えられますが、その代わりに苦みが現れます。
酸味は、柑橘系のフルーツを思い浮かべるとイメージしやすくなるでしょう。
しばしば酸味はすっぱいと表現されることもあり、その表現方法がネガティブに聞こえてしまうこともあります。
しかしながら、コーヒーの酸味は良質なものがほとんどなので、酸味の強いコーヒーを飲んでもネガティブな印象を持つことはほとんどないでしょう。
コク
飲んだ後に口の中に残る余韻のことをコクと表します。
通常、アジア圏で栽培されたコーヒー豆は深いコク、ラテンアメリカ圏で栽培されたコーヒー豆は控えめなコク、そしてアフリ圏で栽培されたコーヒー豆は平均的なコクがあると言われています。
高品質かどうか
高品質なコーヒーと言えば、スペシャリティコーヒーが思い浮かべる方もいるでしょう。
スペシャリティコーヒーとは、生産されている農園が示されており、専門家に味を評価され、際立った風味を持つコーヒーのことです。
今回のランキングでは、スペシャリティコーヒーとして扱われている生産地のものがほとんどです。
欠点豆の含有率でも判断できる
また、簡単にご自身で購入したコーヒー豆の品質を見分ける方法は「欠点豆」になります。
コーヒー豆を袋から出したときに「欠点豆」と呼ばれる、コーヒー豆が欠けている、変色している、穴が開いているものが混入していないか確かめることで見分けることができます。
人気かどうか
市場によく出回っていて、量販店などで気軽に購入することのできる生産地のコーヒーや、Amazonや楽天などの通販で売れ筋の生産地のコーヒーを基準としています。
コーヒーが美味しい国ランキング11選
コーヒーが美味しい国ランキングは以下の通りです。
- ブラジル
- エチオピア
- グアテマラ
- コロンビア
- コスタリカ
- インドネシア
- ケニア
- パプアニューギニア
- パナマ
- イエメン
- タンザニア
それぞれの特徴を紹介します。
第1位.世界の約3分の1のコーヒー豆を生産「ブラジル」
世界の約3分の1のコーヒー豆はブラジルで生産されているというほど、コーヒー大国のブラジルは、コーヒー豆の生産量ランキングで第1位としても知られています。
クセがなく飲みやすいことから、ブレンドコーヒーとしても重宝されています。
「サントス」という銘柄が有名です。
ブラジル産コーヒーの特徴
品種 | 約80%がアラビカ種、約20%がロブスタ種 |
生産エリア | ミナスジェライス州が生産の50%以上を占める。他にはサンパウロ州やパラナ州など |
精製方法 | ほとんどがナチュラルプロセス |
味わい | ナッツやチョコレートのような甘い香り、控えめな酸味と苦味、クセがなく飲みやすい |
おすすめの飲み方 | ストレートでも、ミルクを入れても美味しく飲める。エスプレッソで飲むのもおすすめ |
フードペアリング | ナッツ、プレーンのクッキー、バウムクーヘン |
第2位. コーヒーの発祥の地「エチオピア」
コーヒーの発祥の地として知られている、エチオピア。
生産量ランキングはアフリカで堂々の第1位、世界的には第5位です。
国民全体の10%以上がコーヒー産業に携わっています。
「モカ・シダモ」、「モカ・ハラー」、「イルガチェフェ」などの銘柄が有名です。
エチオピア産コーヒーの特徴
品種 | 在来品種が中心で、複数の品種が混ざったものがエチオピアコーヒーとして売られている |
生産エリア | レケンプティ、ジマ、イルガチェフェ、ハラーなど |
精製方法 | 約80%がナチュラルプロセス |
味わい | フルーティーな甘い香り、しっかりとした酸味、苦みや甘みは控えめ、エレガントな味わい |
おすすめの飲み方 | ストレート |
フードペアリング | 柑橘系の果物、チョコレートスコーン |
第3位. 中南米を代表する生産国「グアテマラ」
中米を代表するコーヒー生産国で、世界コーヒー生産国ランキングでは第10位。
ブレンドコーヒーに使用されることや、日本では缶コーヒーの原材料として使われているほど、実は身近なコーヒー豆の生産国です。
グアテマラ産コーヒーの特徴
品種 | アラビカ種(ゲイシャ種、パカマラ種、マラゴジッペ種などにも力を入れて栽培している) |
---|---|
生産エリア | アンティグア、フライハーネス、アティトラン、コバン、フエフエテナンゴ、サン・マルコス、ニュー・オリエンテ、アカテナンゴ この8つの地域が有名 |
精製方法 | ウォシュッド |
味わい | フルーツのようなやや強い酸味、花のような香り、ココアやナッツのような甘味、しっかりとしたコクで上品な味わい |
おすすめの飲み方 | ミルクや砂糖とも相性が良い。マンデリンやエチオピア産のコーヒー豆とブレンドして飲むのもおすすめ |
フードペアリング | チョコレート、りんご、ナッツ |
第4位. 高級な銘柄が多い「コロンビア」
南北に長く広い国土のため気候が各地で違うため、それを活かし、1年を通して2度コーヒー豆を収穫できるコロンビアはコーヒー生産量も多く、世界コーヒー生産量ランキングは第3位です。
国民の約4分の1がコーヒー産業に携わっています。
「エメラルドマウンテン」という銘柄は、コロンビアコーヒーの中でもたった3%未満しかない、高級コーヒー豆として知られています。
コロンビア産コーヒーの特徴
品種 | 100%アラビカ種(カトゥーラ種とバリエダコロンビア種がほとんどを占める) |
生産エリア | 代表的なのはナリーニョ、トリマ、マグダレナ |
精製方法 | 主にウォシュッド |
味わい | 控えめな酸味と苦味のバランスが良い、フルーティーな香りと甘みがある味わい |
おすすめの飲み方 | 少し低めの温度で淹れる。ブラジル産、エチオピア産、マンデリンとのブレンドもおすすめ |
フードペアリング | チーズ、ミルクチョコレート |
第5位. 50%以上はスペシャルティコーヒー「コスタリカ」
中央アメリカに位置するコスタリカでは標高の高いところでコーヒー栽培が行われており、75%以上のコーヒー豆は標高1000m~1700mで栽培されています。
1988年に定められた法律によって、高品質であるアラビカ種以外の栽培を禁止しているほど、高品質なコーヒー豆の栽培に取り組んでいます。
これは世界的に見ても他に類を見ず、その結果、コスタリカで生産されるコーヒー豆の50%以上はスペシャリティコーヒーとして扱われています。
生産量は安定していて、コーヒー生産国ランキングでは毎年10~20位の間です。
コスタリカ産コーヒーの特徴
品種 | アラビカ種のみ(カトゥーラ種、カトゥアイ種がほとんど) |
生産エリア | タラス、トレスリオス、セントラルバレー、ウェストバレー、オロシ、ブルンカ、トゥリアルバ この7つの地域が主 |
精製方法 | ハニープロセス |
味わい | 柑橘系のフルーツのような風味、上品な酸味、バランスの取れた味わい |
おすすめの飲み方 | ストレート |
フードペアリング | ドーナツ |
第6位. 有名な銘柄が多い「インドネシア」
世界第4位の生産量を誇ります。
また、幻のコーヒーとしても知られている「コピ・ルアク」はインドネシアで生産されている高級コーヒー豆です。
インドネシア産コーヒーの特徴
品種 | 90%がロブスタ種、10%がアラビカ種 |
生産エリア | スマトラ島、ジャワ島、スラウェシ島など |
精製方法 | ウォシュッド、ナチュラル、そして独自で開発されたスマトラ式 |
味わい | 酸味が少ない、しっかりとしたコクや苦み、ほんのりと甘さが口の中に残る |
おすすめの飲み方 | 温めたミルクを多めに入れてカフェオレするのがおすすめ |
フードペアリング | シナモン、チーズケーキ、ブラウニー、大福 |
第7位. 高品質なコーヒーが多い「ケニア」
世界初のコーヒー研究財団が設立され、品質を徹底的に管理しているため、ケニア産のコーヒーは高品質です。
特にヨーロッパでは人気が高く、よく飲まれています。
焙煎度合いによって異なった味わいを楽しめるのが特徴的で、浅煎りでの焙煎は酸味を際立たせ、深煎りでの焙煎は力強いコクと上品な甘みを引き出してくれます。
深煎りで焙煎してもしっかりとした風味を感じることができるため、日本ではブレンドコーヒーとして使用されていることが多いです。
「マサイ」が有名な銘柄として挙げることができます。
ケニア産コーヒーの特徴
品種 | ほとんどがアラビカ種 |
生産エリア | キリヤニガ、エンブ、ニエリなど |
精製方法 | ウォシュッド、ケニア式のダブルウォシュッド |
味わい | 柑橘系のフルーツのようなやや強めの酸味、控えめの苦み、しっかりとしたコク |
おすすめの飲み方 | ストレート、アイスコーヒー |
フードペアリング | レモンケーキ、グレープフルーツ |
第8位. 良質な酸味が特徴「パプアニューギニア」
南太平洋に位置する島国のパプアニューギニア。
「シグリ」「キンデン」「ギガバー」などが有名な銘柄で、パプアニューギニアのコーヒーは近年品質が向上し世界でも注目されてきています。
主に1800m~2000mの標高の高いところで栽培が行わているため、良質な酸味を感じることができる高品質なコーヒーがほとんどです。
パプアニューギニア産コーヒーの特徴
品種 | 95%がアラビカ種 |
生産エリア | ニューギニア中央高原を中心に生産が盛ん |
精製方法 | ウォシュッド |
味わい | やさしい酸味、しっかりとしたコク、爽やかでフルーティーな後味 |
おすすめの飲み方 | 90℃程度のお湯でゆっくりと抽出、アイスコーヒーで飲むのもおすすめ |
フードペアリング | オレンジ、パイナップル |
第9位. ゲイシャコーヒーが人気「パナマ」
中央アメリカの南側に位置するパナマ。
2004年に開催されたパナマスペシャリティコーヒー協会の品評会、「ベスト・オブ・パナマ」での受賞をきっかけに、「ゲイシャ」という品種のパナマ産のコーヒーが世界から注目を集めるようになりました。
コーヒーなのに紅茶のような透明感があり、ほかに類を見ないコーヒーの味わいが特徴的です。
パナマ産コーヒーの特徴
品種 | 標高が高い地域ではアラビカ種(ブルボン、カトゥーラが主)、標高が低い地域ではロブスタ種 |
生産エリア | ボケテ地区が有名 |
精製方法 | ウォシュッド、ハニープロセス、ナチュラルプロセス |
味わい | 酸味が少ない、柑橘系のような甘い香り、あっさりめの味わい |
おすすめの飲み方 | フレンチプレスで淹れるのがおすすめ |
フードペアリング | フルーツタルト |
第10位. 古いコーヒーの歴史を持つ「イエメン」
コーヒーの中でも歴史がとても古く、一説ではコーヒーの発祥地であるとも言われています。
ワインのような芳醇な香りから、「コーヒーの貴婦人」などと呼ばれる「モカ・マタリ」という銘柄は高級コーヒーとして有名です。
精製方法であるナチュラルプロセスの過程により、豆が欠けやすく、大きさもバラバラになってしまう傾向がありますが、この精製方法によってコーヒー本来の持つ甘味が楽しめます。
イエメン産コーヒーの特徴
品種 | アラビカ種 |
生産エリア | バニーマタルが有名 |
精製方法 | ナチュラルプロセス |
味わい | ぶどうのような甘い香りと酸味、苦みは控えめ |
おすすめの飲み方 | 中挽きで90℃以下に下げたお湯を使ってドリップ |
フードペアリング | ブルーベリースコーン、クリームチーズ、ダークチョコレート |
第11位. 90%以上は輸出「タンザニア」
標高1500m~2500mの高地で栽培されているコーヒー豆がほとんどです。
タンザニアで生産されたコーヒー豆の90%以上は輸出されていると言われており、そのほとんどを日本が買い付けています。
タンザニアのコーヒーは「キリマンジャロ」という銘柄が有名です。
タンザニア産コーヒーの特徴
品種 | アラビカ種70%、ロブスタ種20% |
生産エリア | アルーシャ、モシ、ンゴロンゴロ、ムベヤなどが有名 |
精製方法 | ウォシュッド |
味わい | シトラスのような酸味、フローラルな香り、程よいコクと甘み |
おすすめの飲み方 | ストレート、アイスコーヒーで飲むのもおすすめ |
フードペアリング | ミルクチョコレート、みかんゼリー |
コーヒーが美味しい国一覧表
ランキング | 国名 | 味わいの特徴 |
---|---|---|
1位 | ブラジル | ナッツやチョコレートのような甘い香り、控えめな酸味と苦味、クセがなく飲みやすい |
2位 | エチオピア | フルーティーな甘い香り、しっかりとした酸味、苦みや甘みは控えめ、エレガントな味わい |
3位 | グアテマラ | フルーツのようなやや強い酸味、花のような香り、ココアやナッツのような甘味、しっかりとしたコクで上品な味わい |
4位 | コロンビア | 控えめな酸味と苦味のバランスが良い、フルーティーな香りと甘みがある味わい |
5位 | コスタリカ | 柑橘系のフルーツのような風味、上品な酸味、バランスの取れた味わい |
6位 | インドネシア | 酸味が少ない、しっかりとしたコクや苦み、ほんのりと甘さが口の中に残る |
7位 | ケニア | 柑橘系のフルーツのようなやや強めの酸味、控えめの苦み、しっかりとしたコク |
8位 | パプアニューギニア | やさしい酸味、しっかりとしたコク、爽やかでフルーティーな後味 |
9位 | パナマ | 酸味が少ない、柑橘系のような甘い香り、あっさりめの味わい |
10位 | イエメン | ぶどうのような甘い香りと酸味、苦みは控えめ |
11位 | タンザニア | シトラスのような酸味、程よいコクと甘み |
より大きな地域ごとの特徴をタブでまとめています。クリックすると詳細が見れます
苦みと深いコクが特徴。いつもと違うコーヒーを飲みたい方におすすめです。
代表的な銘柄はインドネシアの「マンデリン」。
苦みが強く、深いコクが感じられます。また香辛料のような独特な香りも魅力でしょう。
そのため、少しクセのあるコーヒーを試したい際や、普段からミルクや砂糖と一緒に飲んでいる方などの甘党の方にもおすすめです。
コーヒーが美味しい国を一覧表にすると以上のようになります。
サクッと見たい方は参考にしてください。
また美味しい国ではなく、生産量のランキングを知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
コーヒーが美味しい国から購入してみよう!
いかがでしたでしょうか?
コーヒーが美味しい国をランキング形式で11選紹介しました!
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーヒーの美味しい国ランキングの選考基準は「個性が強いか」「高品質か」「人気か」
- コーヒーの美味しい国ランキング第1位は「ブラジル」
- ランキング第2位は「エチオピア」
生産国によって味わいが全く異なるので、色々と試したくなりますね。
この記事を参考に、各国のコーヒーを飲み比べてみてください。
そして、自分のお気に入りのコーヒー豆を見つけてみましょう。